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2008/02/15
昨年まで高値更新を続けたユーロ相場が、やや調整局面へ。米サブプライムローン問題の拡大で、ドル安、そ
の反作用としてユーロ高になっていた場面もありました。つまり、米国に比べてユーロ圏経済の方が景気の基調
が強く、場合によってはインフレを懸念して利上げが行なわれる可能性もある、といった見方が根強かったです
。
ところが2月にかけて、さらに金融市場の混乱が深まると、ユーロ圏経済にも悪影響が及んでECB(欧州中
央銀行)は利下げに転じる可能性もあるとの観測が広まりました。そこで、米国景気の悪化や追加利下げ観測は
、必ずしもユーロ高につながらなくなってきたように思われます。つまり、米国と欧州の景気の連動性が意識さ
れたリカップル相場になってきているということです。景気面や金利面では、為替相場が動きにくくなる状況が
生じつつあります。
一方、ユーロはすでに割高だという見方があります。例えば、ドイツと米国の物価水準が等しくなるような為
替レートの水準(=購買力平価)は、1ユーロ1.2ドル前後と推計され、この点からは現在のユーロ相場は2割ほ
ど割高ということになります。一般に、ある国の通貨の割高が解消される方法は、その通貨の下落か、その国の
物価が相対的に下落するか、です。
まず前者についてみると、ユーロ高局面が終わって、ユーロは下落トレンドに入ったかとなると、今のところ
そのようには見えません。むしろ、ユーロという通貨への信頼度は、時間とともに増してくる傾向が続いていま
す。その背景には、欧州の統合が着実に深まりつつあり、加盟国も増え続けていることがあります。欧州との経
済関係が深い中東、アフリカ、東欧の諸国では、ユーロ建ての取引を好む傾向が出てきています。
一方、後者はどうでしょうか。為替レートが高止まりし、ユーロ圏の物価上昇率が他国よりも抑制されると、
いずれユーロの割高感は解消されます。ECBは、FRB(米連邦準備理事会)よりも、インフレ抑制に成功す
るだろうというのが、現在の市場の読みといえます。現時点では、2008年前半にECBが利下げを行なうとの観
測が市場で再び強まり、ユーロは下落する可能性があります。実際にECBが小幅利下げを行なう可能性も否定
できませんが、大幅な利下げの可能性は小さいとみています。欧州周辺国、中東、ロシアなどの経済好調にも支
えられ、ユーロ圏の経済情勢は底堅いためです。
中長期的にみれば、ユーロ建て取引の増加は今後も続き、外貨準備や投資商品としての保有動機も拡大すると
思います。また、インフレ安定を重視する金融政策も、ユーロの信認向上をもたらすでしょう。いわゆるドル安
論には与しませんが、ユーロ高局面はまだ続いているとみています。
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